耐震基準には、「is値」という値が重要になります。
is値とは、「構造耐震指標」と言われるものですが、耐震基準と耐震指標はどう関係しているのでしょうか。
is値について
is値(構造耐震指標)とは、その建物がどれだけの地震に耐えられるのかを示す数字です。
つまり、建物強さをあらわす数字となるので、耐震基準を満たす建物の検査に必要になる数字です。
is値の算出は、強度、耐久度、変形可能度(地震と一緒に動いて損壊を防ぐ)を階ごとに行います。
is値が大きければ大きいほど、大規模な地震に耐えられる建物であることが証明されます。
・is値と耐震強度
0.6以上 → 損壊と倒壊の危険性が少ない
0.3~0.59 → 損壊と倒壊の危険あり
0.3未満 → ほとんどの建物が倒壊する
is値を求めるには少し難しい方程式が必要になるので、評価について簡単に説明します。
例えば「強度1点、耐久度1点、変形可能度1点」の建物はis値0.2だとします。
「強度5点、耐久度10点、変形可能度8点」はis値が0.7にしましょう。
この時、当然is値0.7の建物の方が、耐震性に優れていると言えます。
一定のis値を超えた建物だけが耐震基準を満たしていると言えます。
is値が一定を超えない建物は、新耐震基準適合に不合格となり、適合証明書は発行できません。
なお、小学校や公民館など、is値が極めて高い建物は、地震の際に避難所として活用されます。
避難所の決定にもis値が関係していますので、避難所に選ばれるところは、その地域でも高い耐震性を持った建物だと安心して良いでしょう。
is値が高いだけがすべてなのか
is値が高ければ高いほど耐震性に優れた建築物ということができます。
ただ、耐震性に優れた建物ができあがったとしても、経年劣化という敵がいます。
経年劣化とは、黙っていても劣化してしまうことのものを言います。
どれだけ耐震性に優れた建物であっても、経年劣化は止められないのです。
is値の算出にも経年劣化の考慮はされていますが、あくまで予想での計算をします。
地震以外の災害で建物が劣化する可能性もありますが、そこまで予測することはできません。
建てられた当初にis値が基準を遥かに超える数字でも、is値は年々減少していきます。
経年劣化を視野に入れていくことで、さらに耐震性の高い建物に住むことができるでしょう。
経年劣化の他にも、is値のバランスというのがあります。
is値を算出する際に使う強度、耐久度などが、平均的でなければなりません。
どこか一つが悪い数字でも、他が高ければis値は底上げされます。
要は全体的なバランスも重要だということで、単にis値が高いだけでは良い建物ではないということです。
基準を満たしているという面では合格かもしれませんが、実際に地震が起きた時にどこかに欠陥ができるのは目に見えています。
is値だけを見て決めるのではなく、is値の中身を見て決めなければいけないということです。
私たちがis値の計算をするわけではないですが、基準はこの様に決められているということを覚えて置くと良いでしょう。
